2018/02/13 12:19

「珈琲をいれる」
この場合の「いれる」は「入れる」でもちろんいいのですが、ニュアンス的には「淹れる」が合っているように思います。
「淹」には「ひたす」という意味もあるそうです。
ただし常用漢字ではありません。

茶道、茶の湯の世界では、お茶(抹茶)は「点(た)てる」と言います。
そしてそのお茶を客人にお出しする作法、所作、さらには美味しさ含めた出来栄え等含めたそれを「点前(てまえ)」と言います。
「結構なお点前で」というあれですね。

普通に急須でいれるお茶(煎茶など)は「いれる」であって「たてる」とは言いません。
なので同様に珈琲の場合も「点てる」とは言わないのが普通です。
が、オーダーを受けて一杯一杯をハンドドリップで提供するという日本式の純喫茶店の文化は正に茶の湯の「点てる」に通じると思います。

最近、オーダーを受けてからロボットがハンドドリップでコーヒーをいれてくれるというカフェが登場したとTVで紹介されていました。
そのロボット君曰く「そこらの人間より美味しいコーヒーをいれますよ」ですって。
まぁ、たしかにそりゃそうかもしれません(苦笑)
同じ珈琲豆を使用しても、淹れる人によって味は変わりますからね。

何をもって「美味しい珈琲」とするかなんて、極論すれば人それぞれ好みの問題です。
私は提供する側として自分が美味しくないと思う珈琲はお出ししたくないので、必然的に私の好みとして私が美味しいと思う珈琲を、こうすれば美味しくなるという技術でもってお出しするわけです。

私自身、かつて「珈琲ってこんなに美味しいんだ!」っていう体験をさせてくれたお店があったからこそ珈琲がより好きになったわけでして、本当に心から美味しいと思っていただけるような珈琲を自分の店でもお出ししたい思っています。
そういう意味で、心意気として私は珈琲を「点てて」います。